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文藝春秋 特別版 11月臨時増刊号 一冊の本が人生を変える

文藝春秋の11月、臨時増刊号である。

「一冊の本が人生を変える」とは、いささかオーバーな表現のようにも聞こえるが、あり得ないことではない。

五十歳を大分過ぎてしまった小生には、懐かしい本がたくさん出てくるので、青春が舞い戻ってくるすがすがしい気分が味わえた。

圧巻は、

鼎談 決定版・世界文学全集を編集する

であろうか。

対談者のお一人、評論家の三浦雅士氏の発言に、

 僕は数年前に『青春の終焉』という本で、一九七0年を境に「青春」という言葉の持つ輝きが失われて、軌を一にするように文学全集というものも書店から姿を消したと言う説を出しました。

とあるが、何度もなんども頷(うな)ずいたのであった。

ところで、これまで「愛書家」の同類として、かなりなシンパシーを感じていた共立女子大学教授でフランスの絵入り古書の収集家である鹿島茂氏の次の発言には、思わず脚下照顧(きゃっかしょうこ)!
自分のことも省みないで、そういう発言がどこから出るのか、実に不快な気分に陥ってしまった。

鹿島氏の(思い上がった?)発言

 ラ・フォンテーヌとラ・ロシュフーコーは、フランスの文学のエッセンスとして是非、入れないとまずいと思います。(引用者注:ここまでは大いに賛同!)
 もし、この一巻を保守派の人が読めば、考え方のレベルが三、四段上がると思いますよ。今の日本の保守は無教養すぎる。

と、こうである!

敢えて些かキツイ言葉で反論すれば、外国文学かぶれの鹿島先生に、そのような侮辱を受ける筋合いは無い。
当然、常識としてご指摘の本は、とっくの昔に読破している。
それよりも、フランスかぶれの鹿島先生は、自国の文学をどれだけ読破されおられると言われるおつもりですか?
保守派の教養の基本は、自国の文化を愛することに原点があるのだから、外国文学かぶれの先生に、そのような侮辱を受ける筋合いは無いと思うのですがネ!

まずは、脚下照顧!

みずからの足元を見るべきで、迂闊な発言は慎むべきではありませんか!?

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by cyos | 2005-11-06 10:13 | 日本の知識人のレベル