2008年 12月 10日
久しぶりに更新してお勧め書籍を掲載するくらいだから、いかに参考価値の高いものであるかを想像して欲しい。
文章は流麗とは決して言えないどころか、むしろ判読しにくいやや悪文に近いものの、ことの本質を鋭く指摘して示唆に富む。 内容をここで紹介するよりも、インターネットの利用者必読の書と言えるので、実際に入手して読まれることを強くお奨めする。二年ぶりの更新だから、その価値が知れようというものである。 #
by cyos
| 2008-12-10 21:13
| 人間と人間社会の本質を知る
2006年 11月 26日
今月から待望?のフロイト全集が岩波書店から配本されはじめた。過去には著作集と名の付くものは複数出版されているが、全集として出版されるのは日本国内でははじめてのはずである。
待望ということばに?を付けたのには、タイトルからも予測されるように、19年前に日本で翻訳出版されたこの「精神分析に別れを告げよう」(批評社刊)と題した行動療法の大家、H・J・アイゼンク著のフロイト批判の書物の影響による。 副題にはご丁寧にも「フロイト帝国の衰退と没落」とある。 小生、全くの門外漢ながら、フロイト及び新フロイト学派の研究と著作に常に刮目し好んで愛読しつつ、人間の心の深層の問題、神経症や心身症の問題、のみならず文学や芸術分野、社会心理学等を考察して来ただけに、出版された当初に直ぐ取り寄せて通読し、ひどくショックを受けた。 フロイト理論の非科学性、のみならずフロイトのでっちあげ理論の数々の指摘、及び神経症治療等に対する精神分析治療の無効性など、フロイト及びフロイト学派に対する弾劾の書であり、一々納得出来る論証には腹立たしいくらいだった。 翻訳者の七名の内、三名は実際に精神分析を行っている医学者であるだけに「本書は実に不愉快なしろものだった」とのあとがきは、その道のプロにとっては当然の感慨であろう。 ということなのに、今月より岩波書店から配本がはじまったフロイト全集を全巻予約してしまった小生の深層心理とは・・・・・?行動療法とは無縁の世界じゃないの? #
by cyos
| 2006-11-26 23:39
| 科学理論とは何か
2006年 10月 20日
転処実に能く幽なり。 流れに随うて性を認得すれば、 喜びなくまた憂いもなし。 これは初祖達磨大師の「二入四行観」の中に書かれている五言絶句であるが、本書「禅の思想」に取り上げられ、鈴木大拙翁によって解説されている。 解説を読むまでもなく、これに目を通した瞬間に雷に打たれたように世界観が変わった経験を持つ。 1960年代末の大学紛争が熱に浮かされたように日本全国を蔓延していた頃、あの馬鹿騒ぎに同調できないどころか、憎悪の念をいだき続けていた。 そんな最中、突然、三島由紀夫氏が割腹自害により憤死された。 うたた相応ぜず。 絶言絶慮、 処として通ぜざる無し。 三祖僧璨大師の「信心銘」のこの一節、その日、一日中頭の中で繰り返し唱えていたことが忘れられない。 三島氏が亡くなった後、自殺する意味を失った。三島氏が亡くなった後の腑抜け国家の行く末を見届けてやろうと思った。 #
by cyos
| 2006-10-20 21:12
| 本といっても様々
2006年 07月 05日
幻冬社から出版されたこの有名な書籍は、近くの小さな書店に早くから注文していたのに、なかなか手に入らなかった。注文を出して20日くらいはかかったろうか?
さぞや再販を繰り返したものが届くことだろうと思ったが、意外に初版本だった。 それはともかく、スキルス胃癌に罹患し、再発して余命3ヶ月と宣告された藤田氏が、現在も頑張ってテレビ・マスコミで大きく取り上げられているのは周知の通りである。 ところで本ブログの筆者は職業柄(漢方専門薬局経営の薬剤師)、転移ガンや進行がんでQOL向上の目的から、当方の漢方薬を求めて長期間服用中の患者さんが大勢おられるので、藤田氏の苦悩や頑張りにこの書籍を通じて教えられることはとても多い。 藤田氏の職業に対する執念には脱帽するばかりだが、当方で何年にも亙って転移ガンで苦労されている患者さん達の生き様と比較して見ても、彼ら彼女らも、決して引けをとらないことに驚いている。 大学教授もいれば中小企業の経営者もおられるし、四十代で進行がんや転移ガンと闘っている人も多い。 ただし、藤田氏のように三十代という若き患者さんは、過去には悪性リンパ腫や白血病あるいは睾丸腫瘍・子宮頸ガンなどでおられたが、現在は四十代以降の方ばかりで、過去、三十数年の仕事上でも三十代や二十代という方は、やはりかなり少ない。 といっても、過去には子宮頸がんでなくなった二十代の女性や、悪性リンパ腫が9年目にして再発転移し、なくなられた方もいる。 だから、決して、二十代・三十代の若さではガンや悪性腫瘍が無縁というわけではなく、進行して命を奪われることもない訳ではない。 現在では、二~三人に一人はガンに罹るといわれる時代だが、その四割前後は根治しているといわれる。 根治できない残りの6割近くの人にしても、当方の常連さんにも10年以上お元気で転移ガンや進行ガンと戦い続けながら本業を続けられておられる人が何人もおられるのが現実である。 だから決して悲観するには及ばないのだが、それもガンの種類にもよるもので、藤田氏のようにスキルスとなるとやや別問題のところがあるようだ。彼は人並みはずれた気力によってガンと闘う免疫細胞が活発化してくれているのだろう、どこまでも頑張ってほしい。そして、同じガンや悪性腫瘍と闘っている人々に勇気を与え続けて欲しい。 関連ブログ:http://murata-kanpo.seesaa.net/article/20329781.html http://murata-kanpo.seesaa.net/article/20357579.html #
by cyos
| 2006-07-05 14:01
| 人生の味わい
2006年 05月 09日
専門分野において、最も影響を受けた書籍がタイトルの「中医病機治法学」である。
漢方と漢方薬を専門とする医師・薬剤師の必読書として常に推薦しているが、構造主義科学としての中医学の更なる可能性を大いに示唆してくれる最高の書籍であると現在も思っている。 本書がいかに素晴らしいか、陳潮祖先生の「はしがき」部分の拙訳を以下に転載させて頂こう。 一般の方にとってはチンプンカンプンであろうが、一定レベルの専門家であれば、この序文を読むだけでも漢方と漢方薬の無限の可能性を感じないわけには行かないはずだ。 まえがき #
by cyos
| 2006-05-09 11:47
| 科学理論とは何か
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