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精神分析に別れを告げよう H・J・アイゼンク著(批評社刊)

 今月から待望?のフロイト全集が岩波書店から配本されはじめた。過去には著作集と名の付くものは複数出版されているが、全集として出版されるのは日本国内でははじめてのはずである。

 待望ということばに?を付けたのには、タイトルからも予測されるように、19年前に日本で翻訳出版されたこの「精神分析に別れを告げよう」(批評社刊)と題した行動療法の大家、H・J・アイゼンク著のフロイト批判の書物の影響による。

 副題にはご丁寧にも「フロイト帝国の衰退と没落」とある。

 小生、全くの門外漢ながら、フロイト及び新フロイト学派の研究と著作に常に刮目し好んで愛読しつつ、人間の心の深層の問題、神経症や心身症の問題、のみならず文学や芸術分野、社会心理学等を考察して来ただけに、出版された当初に直ぐ取り寄せて通読し、ひどくショックを受けた。
 フロイト理論の非科学性、のみならずフロイトのでっちあげ理論の数々の指摘、及び神経症治療等に対する精神分析治療の無効性など、フロイト及びフロイト学派に対する弾劾の書であり、一々納得出来る論証には腹立たしいくらいだった。

 翻訳者の七名の内、三名は実際に精神分析を行っている医学者であるだけに「本書は実に不愉快なしろものだった」とのあとがきは、その道のプロにとっては当然の感慨であろう。

 ということなのに、今月より岩波書店から配本がはじまったフロイト全集を全巻予約してしまった小生の深層心理とは・・・・・?行動療法とは無縁の世界じゃないの?

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by cyos | 2006-11-26 23:39 | 科学理論とは何か